どこかを旅する時に、ご当地名物を食べたいとか、そういう発想で行先を決める場合も多いかも知れません。
私の鎌倉散策も、時には「食」で行先を決める場合があります。
今日(12月16日)がそうでした。
まず決めたのは昼飲みの場所で、13時に予約していました。
11月初めに飛び込みで入った「酒肴こころや」さんですが、もう一度行ってみたいと、予約していたのです。

くるす門のある光照寺へ

北鎌倉駅に降り立ったのは、11時過ぎのことでした。
まずは大船方面へ歩き、郵便局に寄って、光照寺を目指しました。

光照寺は、1279年から1280年頃に一向上人が開いたと伝えられています。
一向上人は、一遍上人の弟子で、光照寺は時宗のお寺なのです。
階段を上ったところにある山門は、くるす門と呼ばれ、くるす紋というキリスト教の十字の紋があります。
本堂内には、キリシタンが使用した燭台が2基あるそうで、江戸時代に鎌倉にもキリスト教の信者がいたのではないかと言われているようです。
境内は狭く、こぢんまりとした静かなお寺です。
花が咲く頃に、もう一度来てみたいと思いました。

光照寺を出て、北鎌倉駅方面に歩きます。
一旦鎌倉街道に出たのですが、歩きにくいので住宅地の小路を歩き、少し広い道に出たところから鎌倉街道に戻りました。
この辺りは、車が通れないような小路が迷路のように続いています。
光照寺近くにあったフレンチレストランと言い、数は少ないですが、隠れ家的なレストランが点在しているようです。
一度行ってみたいなと思うレストランもあり、また来てみたいと思いました。

紅葉の浄智寺

浄智寺辺りは、まだ紅葉がとても綺麗でした。
浄智寺境内も、そして源氏山公園方面へ続く道の脇にも、美しい紅葉が見られました。
少しだけ、源氏山公園方面へ歩いてみましたが、この辺りの紅葉は今が見頃のようでした。

車通りの多い鎌倉街道を入ってすぐなのですが、とても静かで別世界のような美しい光景が広がっていました。
さすがにイチョウはほとんど散っていましたが、モミジはまだ緑色の葉っぱもつけていました。
もしかすると、今年は暖冬で余計に遅いのかも知れませんが、鎌倉の紅葉は遅いので次の週末も楽しめるかも知れません。

浄智寺は、鎌倉五山第四位のお寺です。
臨済宗円覚寺派のお寺で、開基は北条宗政とその子の師時、開山は兀庵普寧(ごったんふねい)と大休正念(だいきゅしょうねん)とされていますが、実際は準開山とされている南州宏海(なんしゅうこうかい)だったようで、南州宏海は自分が若いので師をたてたようです。

円覚寺や建長寺と比べると、違った風情のあるお寺です。
何よりも林の中に続く石段は、歳月とそこを行き交うお参りの人たちで丸く削り取られたのか、滑りそうで危ない感じさえします。
その石段の先にある山門が、他のお寺には無い様式になっていて、上には鐘楼があるのです。

山門をくぐり、更に順路を行くと、仏殿があります。
仏殿に安置されているのは、向かって左から阿弥陀如来、釈迦如来、弥勒如来で、三世仏座像といわれます。
過去、現在、未来を意味しているようです。
とても有り難い気がして、思わず長々と手を合わせてしまいます。

仏殿を右に折れると、右手には方丈が見え、さらに歩くと竹林や墓地が見えてきます。
竹林の前を折れ、崖にぽっかりと穴が開いているところをくぐると、また別の墓地に出て、そこにあるやぐらの中に鎌倉・江ノ島七福神の布袋尊が祀られています。

それにしても、浄智寺辺りの紅葉は、まだまだ綺麗でした。
もしかすると、次の週末も紅葉を楽しめるかも知れません。
境内のイチョウはさすがにほとんど散っていましたが、モミジはまだまだ緑色の葉っぱが残っていました。
今年の暖冬のせいか、それとも元々遅い鎌倉の紅葉だからなのかはわかりませんが、予想に反して美しい紅葉を見ることができて、大満足でした。

北鎌倉の中心的な建長寺や円覚寺とは違って、浄智寺はひっそりとしていて、静けさに満ちていました。
こんなに素敵なお寺を見ない手は無いと思うのですが、逆に大勢の観光客に訪れて欲しくないお寺さんです。

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